・全体の体制
東京農工大学教授 中川正樹
昭 52 東京大学卒.昭 54 同大大学院修士課程了.同大在学中英国 Essex 大学留学(M.Sc. with distinction in Computer Studies).昭 54東京農工大・工・助手.平成1助教授.平成9教授.現在,共同研究開発センター長併任.理学博士.経験年数 20年.
国立大学・・・・東京農工大学教授,助教授および研究生(7名)
公立小学校・・・小金井市立第一小学校(6名)
教育委員会・・・小金井市教育委員会(2名)
民間企業・・・・株式会社マイクロブレイン(2名)
・実地作業の体制
設計,開発,改善,文書作成作業・・・東京農工大学および株式会社マイクロブレイン
実証実験の指導管理 ・・・・・・・小金井市立第一小学校及び小金井市教育委員会
・評価の体制
予備評価,評価・・・・・・・・・小金井市立第一小学校での実践授業により行った。
・体制図
図 1. 体制図
表 1に支援者、協力者の役割と用件を示す。
表 1. 支援者、協力者の役割と用件
所属・役職 |
氏名 |
役割 |
東京農工大学・教授 |
中川正樹 |
全体のまとめ |
東京農工大学・教授 |
Bipin Indurkhya |
学習モデルの開発と評価 |
東京農工大学・助教授 |
金子敬一 |
教材開発 |
東京農工大学・助手 |
加藤直樹 |
教材開発 |
東京農工大学 |
坂東宏和 |
教材開発 |
東京農工大学 |
福島貴弘 |
教材開発 |
東京農工大学総合情報処理センター・講師 |
開発教材などの情報公開の支援 |
|
(株)マイクロブレイン・代表取締役 |
坂本勝 |
教材開発 |
(株)マイクロブレイン・常務取締役 |
坂本保代 |
教材開発 |
小金井市教育委員会・指導主事 |
大熊雅士 |
教材設計と実証実験の指導 |
小金井市教育委員会・情報教育指導員 |
根本秀政 |
実証実験の指導 |
小金井市立第一小学校・校長 |
鈴木清隆 |
実証実験の管理 |
小金井市立第一小学校・教頭 |
小川順弘 |
実証実験の管理と指導 |
小金井市立第一小学校・教諭 |
二宮由美子 |
教材設計と実証実験 |
小金井市立第一小学校・教諭 |
小島之範 |
教材設計と実証実験 |
小金井市立第一小学校・教諭 |
下條美佐子 |
教材設計と実証実験 |
小金井市立第一小学校・教諭 |
波多江誠 |
教材設計と実証実験 |
ホームページ上(
http://www.mbrain.com/e2
)および農工大学内のホームページ上(
http://www.tuat.ac.jp/~e-learn/
)で公開し普及に努める。ホームページ上では,プロジェクトの報告書だけでなく,今回作成したソフトウェアをダウンロードして使用可能な形で公開する。
対話型電子白板を使用した授業と比較のための黒板の授業を合わせ,26時間の実践授業を行った。表2. に実践授業の一覧を示す。また、表
2. の授業以外にも電子白板を使用した授業が先生方によって積極的に行われた。
表2 実践授業一覧
実施日時 |
科目 |
授業内容 |
クラス |
インターネット利用 |
H13.11.29 11:30〜12:15 |
6年理科 |
からだの働きとしくみ 理科実験ソフトウェア上で動作する12コンテンツ(タイトル,呼吸1,呼吸2,呼吸3,呼吸4,呼吸5,呼吸6,消化1,消化2,じゅんかん1,じゅんかん2)を使用 |
6-1 |
有り |
H13.12.03 9:35〜10:20 |
6年理科 |
6-1 |
||
H13.12.06 10:40〜11:25 11:30〜12:15 |
6年理科 |
6-1 |
||
H13.12.07 10:40〜11:25 11:30〜12:15 |
6年理科 |
6-2 |
||
H13.12.10 13:40〜14:25 |
6年理科 |
6-1 |
||
H13.12.12 9:35〜10:20 |
6年理科 |
6-2 |
||
H13.12.13 10:40〜11:25 11:30〜12:15 |
6年理科 |
6-1 |
||
H13.12.14 10:40〜11:25 11:30〜12:15 |
6年理科 |
6-2 |
||
H13.11.29 8:45〜9:30 |
6年理科 |
からだの働きとしくみ 黒板使用 電子白板を使用した場合と比較検討のため、同じ単元に対して黒板を使用した従来授業も平行して行いビデオ撮影を行い比較した |
6-3 |
なし |
H13.12.04 9:35〜10:20 |
6年理科 |
6-3 |
||
H13.12.06 9:35〜10:20 |
6年理科 |
6-3 |
||
H13.12.11 8:45〜9:30 9:35〜10:20 |
6年理科 |
6-3 |
||
H13.12.13 8:45〜10:20 |
6年理科 |
6-3 |
||
H13.11.05 13:40〜14:25 |
5年社会 |
伝統工芸について 三択クイズソフトウェア |
5-1 |
なし |
H13.11.28 10:40〜11:25 |
3年算数 |
そろばん 足し算 そろばんソフトウェア |
3-1 |
なし |
H13.11.29 9:35〜10:20 |
そろばん 引き算 そろばんソフトウェア |
3-1 |
||
H13.11.28 11:30〜12:15 |
3年国語 |
漢字熟語対戦ソフトウェア |
3-1 |
なし |
H13.12.05 13:40〜14:25 |
5年総合 |
研究発表会、生徒の発表 理科実験(白紙)ソフトウェアを使用した生徒による発表 |
5 |
有り |
H13.12.06 8:45〜9:30 |
5 |
|||
H14.1.25 8:45〜9:30 |
5年算数 |
図形の面積 多角形ソフトウェア使用 |
5-1 |
なし |
H14.1.28 10:40〜11:25 |
5年算数 |
5-1 |
からだのつくりとはたらきについての6年生理科の実践授業を行った。この実践授業は,電子白板を視聴覚教材の一部として捕らえることに留まらず,通常の黒板と置き換えることを想定した一歩先に進んだ革新的なアプローチとして2週間以上の期間にわたって行われた。教材ソフトウェアとして理科実験ソフトウェアを使用し,教科書に完全に準拠する形での改善を行いつつ進められた。他の電子白板を使っての評価実験と大きく異なる点は,授業全てを電子白板に持って行くことを想定している点であり,逆に教科書準拠であるため電子白板が得意としている部分が生かせない部分も多く,そうでない部分に対しても電子白板を使って授業を行う厳しい条件下での実践授業となった。黒板と電子白板との両方において同じ内容の授業を行い比較した。また,電子白板を使いながら,人体模型やビデオ映像などの従来の教材も併用した形での実践授業が行われ,他の教材と電子白板を併用して使用した場合の効果や問題点なども見ることができた。
図 2. 理科の授業1
図 3. 理科の授業2
伝統工業についての5年生社会の実践授業を行った。教材ソフトウェアとして3択クイズソフトウェアを使用した。事前に先生が授業に合わせた問題をテキストファイルで作成しておき電子白板上のクイズ番組形式で進められた。先生がクイズ番組の司会者となり,本当にその答えで良いのかの確認や,どうしてそう考えたのかの質問も含めて授業を行うことで活発な意見交換を含んだ授業が行われた。また,各班ごとの代表を出して応援を受けながら回答が進んだ。
図 4. 伝統工業の授業1
そろばんについての3年生算数の実践授業を行った。教材ソフトウェアとしてそろばんソフトウェアを使用した。最初に先生がそろばんソフトウェアを操作して説明を行った。次に,各桁の値表示機能を使って,玉を動かした後に値が合っているかどうかの確認を行いながら,先生が問題を出して,生徒に操作させて指導を行った。最後には,生徒からの出題を先生がペンで電子白板に書き,別の生徒に回答をしてもらう形で進んだ。その際に生徒自身による説明を含めて行った。先生が生徒に教える様子を別の生徒から見ることができることが,同じような疑問を持つ生徒に対しての説明の効果となっていたように感じた。
図 5. そろばんの授業1
図 6. そろばんの授業2
漢字熟語についての3年生国語の実践授業を行った。教材ソフトウェアとして熟語筆記回答対戦ソフトウェアを使用した。文字認識を使って生徒が電子白板上で2文字の熟語を作成し,どちらのグループが先に熟語を多く作成するかの対戦を行った。対戦ソフトウェアは,回りの生徒を巻き込んで異様な程の盛り上がりを見せた。
図 7. 漢字熟語の授業
5年生の研究会の発表において,1つのグループで電子白板を使った生徒による発表を行った。教材ソフトウェアとしては,白紙の理科実験ソフトウェアを使用した。研究会での発表は,複数のグループにより同時に行われ,聞く人が順番に回って色んなグループの発表を聞く形で行われる。生徒は,短い時間での発表を複数回行う形となる。電子白板を使用したグループは,カラー写真を大きく表示して,写真やあらかじめ書き込み用に用意された括弧内にペンで書き込みを行いながらの発表や,発表後に消しゴムボタンを使ってペンで書いた内容を消すことで,次の発表時に再度書き込みながら説明をするなど,電子白板ならではの機能を随所に活用した発表が行われた。
図 8. 研究会発表1
図 9. 研究会発表2
理科の実践授業後に6年生の生徒に対してアンケートを実施した。アンケートの集計を表 2に自由記述からの感想を図 10に示す。
表 2. アンケート結果
図 10. アンケート自由記述からの感想