本プログラムは,電子白板を使って小学校の理科の実験手順などをシミュレーションするアプリケーションです。電子白板上で魚の解剖の擬似体験などを行うことができます。図 1に概要図を示します。理科実験シミュレータには,教科書に沿ったコンテンツと白紙のコンテンツが用意されています。BMPやJPEGファイルなどの取り込み機能や別名での保存機能もありますので,インターネット上から写真ファイルなどを取り込んでコンテンツを作成することも可能です。白紙のコンテンツに写真や画像などを取り込むことで,理科実験だけでなく,その他の授業に活用することもできます。また,白板に書いた内容をHTML形式で保存しインターネット上に配信することも可能です。教科書に準拠した白紙以外のコンテンツに関しては報告書の付録として添付しています。
図 1. 理科実験シミュレータ概要図
本プログラムの推奨動作環境は表1. 推奨動作環境の通りです。
表1. 推奨動作環境
OS |
Windows 98SecondEdition, Me,Xp |
CPU |
PentiumV 500Mhz以上 |
メモリ |
128MB以上 |
その他 |
高速なグラフィックカードを推奨 |
専用のインストールプログラムが用意されていますので,「Setup」を実行し,画面の指示に従ってインストールを行ってください。
インストール後にスタートメニューに登録されている「電子白板選択/教材選択」を実行すると,開始ダイアログ(図 2)が表示されます。上側のタブから“理科実験”を選択し,理科実験の教材を表示します。次に教材の選択を行ってから,開始ボタンを押すことで開始します。教材選択は,終了ボタンで終了します。また,ショートカット作成ボタンを押すことで,選択した教材のショートカットをデスクトップ上に作成することができます。追加ボタンでディスクやネットワークからの新しい教材を追加することや削除ボタンで教材を削除することができます。教材の名前部分を選択してキーボードからファイル名を変更することも可能です。
図 2. 開始ダイアログ
各教材を開始することで,それぞれの教材が表示されます。次ページや前ページを使ってページを切り換えて行くことで,順番にシナリオが進んで行きます。図 3の例では,気体検知管を使う操作を順番に表示しています。生徒に確認を取ったり,メモを書き入れたりしながら順番にページを進めて行きます。このドキュメントでは,どの教材でも共通に使用される基本操作について説明します。各教材についての説明は,付録のドキュメントを参照して下さい。
図 3. 教材画面
画面(図 4)の右側(または,左側,下側)に操作ボタンが表示されます。操作ボタンを使うことでページの移動やメモの描画,部品の移動や変形・追加・削除・分解・貼り付けなどを行うことができます。
図 4. 操作ボタン
現在表示されているページが削除されます。1ページしかない場合には,削除はできません。削除した直後であればUndoで元に戻すことができます。
現在表示されているページの後に白紙のページを追加します。追加後の表示ページは,1つ後になります。最大で100ページまでの追加が可能です。追加した直後であればUndoで元に戻すことができます。
現在表示されているページと同じページを追加します。追加後の表示ページは1つ後になります。最大100ページまでの追加が可能です。追加した直後であればUndoで元に戻すことができます。
消しゴムは,書いた内容や部品を消します。通常は,書いた内容をすべて消しますが,虫眼鏡やはさみを選択中の場合は,部品を消します。選択中の道具によって消しゴムの色が変化します。
水色の消しゴム(を選択時,またはなにも選択してない場合)は,書いた内容をすべて消します。
緑色の消しゴム(を選択時)は,選択中または一番手前に表示された部品を消します。
Undoは,ひとつ前の操作を戻します。二度Undoを行うことで元の状態に戻ります。また,Undoの直前にOHPモードや表示ページを切り換えることで,戻し先を切り換えて戻すことができます。たとえば,通常モードで書いた内容を消しゴムで消してからOHPモードに切り換えてUndoを行うことにより通常モードで書いた内容をOHPモード側のシートに持ってくることができます。
OHPモード・のりは,選択中の道具によって切り替わります。通常は,OHPモードの切り替えとして機能しますが,虫眼鏡・はさみ選択時は,のりボタンに切り替わります。
OHPモードの切り替え(を選択時,またはなにも選択してない場合)は,1度押すごとに通常モードとOHPモードを切り換えます。OHPモードでは,通常の描画先の上にOHPシートを重ねた状態となり全てのページに同じ内容を書き込むことができます。また,OHPモードでは,通常のタップ操作が禁止されるため,タップで動作する部分の上に対してもOHPモードでは書き込むことができます。
のり(を選択時)は,選択中または一番手前に表示されている部品を背景に貼り付けます。一度貼り付けた部品は,はさみで再度カットする以外では消すことができなくなります。動かす必要のなくなった部品を貼り付けることで整理することができます。のりで貼り付けた直後は,Undoで戻すことができます。
虫眼鏡は,画面上の範囲を複写して少しだけ拡大します。虫眼鏡を選択した後で,ドラッグして四角の範囲を指定することで,範囲内の部品や画像のコピーを作成します。作成したコピーは部品として移動や拡大・縮小・回転を行うことができます。虫眼鏡やはさみを選択時には,画面上の部品が全て点線枠で囲まれた状態で表示されます。黒と白の点線枠は,選択状態を表し,青と白の点線枠は,選択されていない部品を表します。選択されていない枠内をタップすることで,選択状態に切り替わります。選択した枠内でドラッグすることで部品の移動が,選択枠上をドラッグすることで拡大・縮小・回転が可能です。枠の4隅でのドラッグは縦横比を固定した状態での拡大・縮小となり,枠の辺の部分を大きく回転方向にドラッグすることで部品を回転させることができます。
図 5. 虫眼鏡で複写後に拡大
はさみは,任意の形で,画面上の範囲を切り取ったり,部品をはさみで分割したりすることができます。はさみを選択した後で,ドラッグして任意の範囲を選択することで,指定した範囲の部品や画像のコピーを作成します(図 6)。すでにある部品上を直線に近い形でドラッグすることで,部品を直線で分割することができます(図 7)。作成したコピーは部品として移動や拡大・縮小・回転を行うことができます。虫眼鏡と異なり,はさみで切り取られた部分は透明になります。虫眼鏡やはさみ選択時には,画面上の部品が全て点線枠で囲まれた状態で表示されます。黒と白の点線枠は,選択状態を表し,青と白の点線枠は,選択されていない部品を表します。選択されていない枠内をタップすることで,選択状態に切り替わります。選択した枠内でドラッグすることで部品の移動が,選択枠上をドラッグすることで拡大・縮小・回転が可能です。枠の4隅でのドラッグは縦横比を固定した状態での拡大・縮小となり,枠の辺の部分を大きく回転方向にドラッグすることで部品を回転させることができます。
図 6. はさみにより任意の範囲を切り取り
図 7. はさみにより部品を分割
ペンを選んで画面上をドラッグすることで指定した色で描画することができます。ペンは細い線で描画します。OHPモードの場合は,OHPシートに対しての描画となります。
マーカーを選んで画面上をドラッグすることで指定した色で描画することができます。マーカーは半透明の太い線で描画するため下の絵が透けて見えます。OHPモードの場合は,OHPシートに対しての描画となります。
ばけつを選んで画面上をタップやドラッグすることで指定した色で塗ることができます。画面上の1点をタップした場合は,その場所と同じ色の範囲に対して色が流し込まれるように塗られます。ドラッグして任意の閉じた図形を描いた場合には,その範囲内がすべて塗られます。直線に近い形でドラッグした場合には,指定色の直線が描画されます。
色の選択は,ペン・マーカー・ばけつで使う色を選択します。
上下の三角ボタンを押すことで,表示されるページを変更します。上側の三角で前ページへ,下側の三角で次ページになります。中央の数字は,現在のページ番号を示しています。ページ番号はウインドウの上側のキャプション部分にも(現在ページ/トータルページ数)の形で表示されています。
目次ボタンを押すことで,目次画面(図 8)が表示され,操作ボタンが保存や終了,表示位置の変更などのボタンに切り替わります。また,左側のページ一覧をタップすることで任意のページに飛ぶことができます。もう一度目次ボタンを押すことで元に戻ります。
図 8. 目次画面
目次ボタンを押すことで表示されるこのボタンは,現在の全ページの内容をWeb上に配信可能なHTML形式でファイルとして保存します。各ページの画像をJPEG画像ファイルとして作成しHTMLファイルと共に保存します。標準では,現在の日付と時刻から作成した名前のフォルダを自動作成して保存されます。保存の確認ダイアログで「いいえ」を押して保存先のフォルダや名前を指定して保存することも可能です。
目次ボタンを押すことで表示されるこのボタンは,現在の全ページの内容をWindowsで実行可能な形式で保存します。白紙のコンテンツに写真や文字などを貼り付け,ペンで説明を追加し,保存することで新しいコンテンツとして使用可能になります。保存したファイルを実行時には,保存時に表示されているページから始まります。
目次ボタンを押すことで表示されるこのボタンは,ボタンの表示位置を変更します。押すたびに左右や下側にボタンの位置が移動します。
目次ボタンを押すことで表示されるこのボタンは,ウインドウを閉じてアプリケーションを終了します。
マウスの右ボタンは,電子白板での黒板消しとして使用しています。右ボタンを押しながらマウスを動かすことでその位置の描画が消されます。
外部から写真やテキストファイルをドラッグして部品として追加することができます。追加後は,自動的にはさみが選ばれた状態に切り替わります。追加した部品は,はさみで切ったり,のりで背景に貼り付けたりすることができます。追加可能なファイルの種類は,BMPファイル(*.bmp),JPEGファイル(*.jpg),テキストファイル(*.txt),リッチテキストファイル(*.rtf)です。画像を読み込んで使用する場合は,著作権などに注意して行って下さい。リッチテキストファイルの場合は,文字の色やフォント種類などを含めた形での読み込みが可能です。サイズが大きい場合(大きすぎる文字サイズのテキストや1024文字以上のテキストなど)は,自動的にサイズ調整が行われます。